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2026.10.17

車検代20万円はぼったくり?整備士が教える『後悔しない車検』とは?

「えっ、車検代が20万円!?」

「友達は10万円くらいだったのに、どうして自分の車だけこんなに高いの?」

車検の見積もりを見て、驚いたことはありませんか?

見積書には、ブレーキパッド交換、バッテリー交換、各種オイル交換など、聞き慣れない項目がずらり。

整備士から「交換しておいた方がいいですよ」と言われても、車に詳しくなければ、それが本当に必要なのか判断するのは難しいものです。

「安全のためと言われたら、断りにくい…」

「でも、まだ普通に走っているのに、そんなに交換する必要があるの?」

そんな疑問を持つのも無理はありません。

実は、車検代が高くなる理由を理解するには、まず「車検に必要な費用」と「車を整備するための費用」を分けて考えることが大切です。

今回は、自動車整備工場の立場から、車検代の仕組みと、整備士が部品交換をすすめる理由、そして納得できる車検にするためのポイントを分かりやすく解説します。


この記事でわかること

  • 車検代が20万円でも「ぼったくり」とは限らない理由

  • 車検代に含まれる3つの費用と、高くなる原因

  • 車検に通すための整備と、故障を防ぐための整備の違い

  • まだ使える部品なのに、整備士が交換をすすめる理由

  • 本当に必要な整備と、交換時期を選べる整備の見分け方

  • 同じような車でも、車検代に大きな差が出る理由

  • 車検の見積もりで確認したい5つの質問

  • 安全性を犠牲にせず、車検代を抑える方法

    この記事を読めば、車に詳しくなくても、整備内容を理解し、納得して車検を受けるための判断ポイントがわかります。

目次

1.そもそも「車検代」には何が含まれている?
① 法定費用
② 車検基本料金
③ 整備・部品交換費用

2.車検を通すために「絶対必要な整備」とは?

3.その部品、本当に今交換する必要がある? 整備士が教える3つの判断基準
判断基準① 今すぐ整備が必要なもの
判断基準② 今は使えても、早めの交換を検討した方がよいもの
判断基準③ 故障予防や快適性のためにおすすめするもの
同じ車の状態でも、お客様によって整備の選び方は変わる
整備士の仕事は、部品を交換することだけではありません

4.なぜ同じような車でも、車検代が10万円も違うの?

5.「これも交換した方がいい」と言われたら、どうすればいい?
*☑チェックシートあり
質問①「これは車検に通すために必要な交換ですか?」
質問②「今交換しなかったら、どうなりますか?」
質問③「あとどのくらい使えそうですか?」
質問④「次の点検まで待つことはできますか?」
質問⑤「費用を抑える別の方法はありますか?」

6.車検代を抑えるために知っておきたい5つのこと
*☑チェックシートあり
① 車検以外のときも定期的に点検する
② 見積書の内訳を確認する
③ 整備の優先順位を確認する
④ 部品の選択肢を相談する
⑤ 車検の合計金額だけで比較しない

7.HIRO工場長からのアドバイス

1:そもそも「車検代」には何が含まれているの?

車検で支払うお金は、大きく3つに分けられます。


① 法定費用

車検を受ける際に必要となる、税金や保険料などです。

  • 自動車重量税

  • 自賠責保険料

  • 検査手数料

これらは国などに納める費用で、整備工場が自由に金額を設定できるものではありません。

車種や車両重量、経過年数、適用条件などによって金額が異なります。


② 車検基本料金

整備工場が点検や検査、車検手続きを行うための料金です。

例えば、法定点検の料金、検査料金、車検代行手数料などが含まれます。

この部分は整備工場によって料金設定やサービス内容が異なります。


③ 整備・部品交換費用

車を点検した結果、必要になった修理や部品交換などの費用です。

例えば、

  • ブレーキの部品交換

  • タイヤ交換

  • バッテリー交換

  • エンジンオイル交換

  • 冷却水の交換

などです。

実は、車検代の金額に大きな差が出る原因の一つが、この整備・部品交換費用なのです。

同じ車種でも、車の状態や整備履歴によって、必要な整備内容は変わります。

そのため、友人の車検代が10万円、自分の車検代が20万円だったとしても、金額だけで高すぎるとは判断できません。

大切なのは、その差額でどのような整備が行われるのかを確認することです。


2.車検を通すために「絶対必要な整備」とは?

そもそも、車検とは何をするものなのでしょうか?

車検は、車が検査時点で国の定める安全・環境に関する基準(保安基準)に適合しているかを確認する制度です。

例えば、次のような状態では、車検に合格できないことがあります。

  • タイヤの溝が法律上の基準を下回っている

  • ブレーキの制動力が基準を満たしていない

  • ヘッドライトの光量や照射方向が基準を満たしていない

  • 排気ガスが基準を超えている

このような不具合が見つかった場合は、基準に適合させるための修理や調整が必要です。

では、車検に合格すれば、次の車検まで何もしなくても大丈夫なのでしょうか?

答えは「いいえ」です。

国土交通省も、車検は検査時点で基準に適合しているかを確認するものであり、車検証の有効期間中の安全性を保証するものではないと説明しています。

つまり、「今日、車検に合格したこと」と「この先2年間、故障せず安全に走れること」は別の話なのです。

車検とは別に、日常点検や法定定期点検、必要に応じた整備を行うことが大切です。

この違いを知っておくと、整備士がなぜ車検の合否に直接関係しない部品まで交換をすすめるのか、理解しやすくなります。


3:その部品、本当に交換する必要ある?整備士が教える3つの基準

「まだ普通に走っているのに、なぜ交換する必要があるの?」

これは、お客様からすれば当然の疑問だと思います。

実際、車検の見積もりには、今すぐ交換しないといけない部品だけでなく、今後の故障を防ぐために交換をおすすめする部品が含まれることがあります。

ここで知っていただきたいのは、整備士が部品交換をすすめる理由は、すべて同じではないということです。


車検と整備の違いは、あなたの健康診断で考えるとわかりやすい

例えば、健康診断を受けたときのことを考えてみてください。

検査結果に大きな異常がなければ、ひとまず安心しますよね。

でも、それは「これから1年間、絶対に病気にならない」という意味ではありません。

また、今すぐ治療が必要な状態と、生活習慣に気をつけながら経過を観察する状態とでは、対応も変わります。

車も少し似ています。

車検に合格できる状態でも、部品の摩耗や劣化が進んでいる場合があります。

今すぐ修理しなければならない部分もあれば、状態を確認しながら交換時期を考えられる部分もあるのです。

ただし、車検と健康診断は検査の目的や範囲が異なります。あくまで「今の検査結果が将来を保証するわけではない」という点でのたとえです。


判断基準① 今すぐ整備が必要なモノ

例えば、タイヤの溝が法律上の基準を下回っている場合です。

この状態では、車検に合格できないだけでなく、安全上の問題もあります。

また、ブレーキに重大な不具合がある場合も、修理を先延ばしにするわけにはいきません。

こうした整備は、単なるおすすめではなく、車を安全かつ適法な状態にするために必要なものです。

これは、家に例えるなら「屋根に穴が開いて、すでに雨漏りしている状態」に近いかもしれません。

放っておけば被害が広がるおそれがあるため、早急な修理が必要です。


判断基準② 今は使えても、早めの交換を検討したほうが良いモノ

例えば、ブレーキパッドです。

ブレーキパッドは、ブレーキを使うたびに少しずつ摩耗していく部品です。

まだ使用できる厚さが残っていても、摩耗が進んでいれば、整備士が交換をおすすめすることがあります。

ただし、残量が少なくなっているからといって、すべての車で同じタイミングに交換が必要になるわけではありません。

車種や残量、摩耗状態、走行距離、普段の乗り方などを踏まえて判断します。

ここで、家の屋根を思い浮かべてみてください。

まだ雨漏りはしていないものの、屋根材の劣化が進んでいるとします。

「今のうちに修理しておく」という選択もあれば、状態を定期的に確認しながら、修理の時期を検討するという選択もあります。

車の整備も同じです。

まだ使えるから交換しなくていい、とは限りません。しかし、交換をすすめられたからといって、必ず今日交換しなければならないとも限りません。

大切なのは、今の状態と、交換を見送った場合のリスクを確認することです。


判断基準③ 故障予防や快適性のためにおススメするモノ

例えば、バッテリーも分かりやすい例です。

スマートフォンを使っていると、購入した頃より電池の持ちが悪くなったと感じることがありますよね。

車のバッテリーも、使用年数や使用環境などによって劣化します。

現在は問題なくエンジンがかかっていても、点検の結果によっては、早めの交換をすすめられる場合があります。

特に、出先でエンジンがかからなくなると、予定を変更したり、救援を呼んだりしなければなりません。

「突然動かなくなったら困るから、先に交換しておきたい」

そう考える方もいれば、

「今の状態を確認しながら、必要になったら交換したい」

と考える方もいるでしょう。

どちらが適切かは、バッテリーの状態や今後の使い方によって異なります。

単に使用年数が長いという理由だけで、必ず交換が必要になるわけではありません。


同じ車の状態でも、お客様によって整備の選び方は変わる

ここでもう一つ、大切なことがあります。

それは、お客様が車をどのように使い、これから何年乗りたいと考えているかです。

例えば、同じように劣化が進んだ部品が見つかったとしても、

「あと5年は、この車に乗り続けたい」

という方と、

「半年後に新しい車へ買い替える予定」

という方では、整備にかける費用や交換時期の考え方が変わることがあります。

もちろん、安全上必要な修理を省いてよいという意味ではありません。

ただ、交換時期を選べる整備については、お客様の予定や希望も大切な判断材料になります。


整備士の仕事は、部品を交換することだけではありません

私たち整備士は、車の状態を点検し、必要な整備や今後考えられる不具合をお伝えする立場です。

でも、お客様がその車にあと何年乗りたいのか、どの程度の予算を考えているのかまでは、車を点検しただけでは分かりません。

だからこそ、整備内容については、

「今すぐ必要な整備です」

「今は使えますが、早めの交換をおすすめします」

「今回は見送って、次の点検で状態を確認する方法もあります」

というように、違いが分かる説明が大切だと考えます。

そして、お客様には、交換する理由だけでなく、交換を見送った場合の注意点も理解したうえで判断していただきたいのです。

整備士がすすめることと、お客様が納得して選ぶこと。その両方がそろって、初めて良い整備につながるのではないでしょうか。


4:なぜ同じような車でも、車検代が10万円も違うの?

車検代に差が出る理由は、整備工場の料金設定だけではありません。

車の状態や、それまでに行ってきた整備の内容によっても、大きく変わります。

例えば、同じ車種・同じ年式・同じ走行距離の車が2台あったとします。

Aさんは、普段から定期的にオイル交換や点検を行い、必要な部品もその都度交換しています。

一方、Bさんは、車検のとき以外にはほとんど点検や整備をしていません。

この2台を車検に出した場合、Bさんの車では、交換が必要な部品や整備項目が一度に多く見つかる可能性があります。

つまり、2年間にかかった整備費用を車検時にまとめて支払うような形になることもあるのです。

また、整備工場によって、車検時にどこまで予防整備をおすすめするかという考え方にも違いがあります。

部品にも、メーカー純正品のほか、品質や適合性を確認した社外品、再生部品などの選択肢がある場合があります。

そのため、単純に合計金額だけを比較するのではなく、何を点検し、何を交換する見積もりなのかを確認することが重要です。

安い見積もりだから必ずお得、高い見積もりだから必ず安心、というわけではありません


5:「これも交換したほうが良い」と言われたら、どうすればいい?

車に詳しくない方にとって、整備士の説明は専門用語が多く、難しく感じるかもしれません。

だからといって、すべてを整備工場に任せなければならないわけではありません。

交換をすすめられたときには、ぜひ次の5つを聞いてみてください。


質問①「これは車検に通すために必要な交換ですか?」

最初に確認したいのは、車検への合否に関係する整備なのか、それ以外の整備なのかということです。

車検に直接関係しない整備でも、安全性や車の状態を保つために必要なものはあります。

その違いを説明してもらいましょう。


質問②「今交換しなかったら、どうなりますか?」

この質問は特に重要です。

「すぐに故障するおそれがあります」

「摩耗が進んでいるので、早めの交換が望ましいです」

「今すぐではありませんが、次回点検時に再確認しましょう」

同じ交換のおすすめでも、理由によって緊急性は大きく違います。

質問③「あとどのくらい使えそうですか?」

部品の寿命を正確に予測することはできません。

しかし、現在の摩耗状態や劣化の程度から、今後の点検時期や交換の目安を相談できる場合があります。

「分からない」と言われた場合にも、何を確認すればよいのか、いつ再点検するのかを聞いておくと安心です。


質問④「次の点検まで待つことはできますか?」

整備内容によっては、状態を確認しながら交換時期を決められる場合があります。

一方、安全上の問題があれば、先延ばしにするべきではありません。

大切なのは、どの整備を優先する必要があるのかを知ることです。


質問⑤「費用を抑える別の方法はありますか?」

例えば、部品によっては純正品以外の選択肢がある場合があります。

また、交換時期を分けることで、一度に支払う金額を抑えられる整備もあります。

ただし、費用を抑えることで安全性や耐久性にどのような影響があるのかも、併せて確認してください。

そして、見積もりに納得できないときは、その場で慌てて決める必要はありません。

安全上の問題がなく、判断を待てる整備であれば、一度持ち帰って考えたり、別の整備工場に相談したりするのも一つの方法です。


6:車検代お抑えるために知っておきたい5つのこと

車検代を抑えるというと、「できるだけ部品交換をしないこと」を考える方もいるかもしれません。

しかし、必要な整備を先延ばしにすると、かえって修理費用が大きくなる場合もあります。

大切なのは、費用をかけるべきところと、選択できるところを見分けることです。


①車検以外のときも定期的に点検する

定期点検によって車の状態を把握し、必要な整備を適切な時期に行うことが大切です。

不具合を早めに発見することで、大きなトラブルを防げる場合もあります。


②見積書の内容を確認する

見積書を受け取ったら、法定費用、基本料金、追加整備費用を分けて確認しましょう。

特に、部品交換の項目については、交換が必要な理由を聞いてみてください。


③整備の優先順位を確認する

整備項目を
「今すぐ必要」
「早めの交換を推奨」
「状態を見ながら判断」
のように分けてもらうと、費用を検討しやすくなります。


④部品の選択肢を相談する

純正品以外の部品を利用できる場合もあります。

価格だけでなく、品質や保証、車との適合性なども確認したうえで選びましょう。


⑤車検の合計金額だけで比較しない

車検の見積もりを複数の整備工場で比較する場合は、整備内容や点検項目、交換部品まで確認することが大切です。

一見安くても、追加整備が必要になり、最終的な金額が変わる場合があります。

また、車検時の費用だけでなく、次の車検までに必要になりそうな整備費用も考えておきたいところです。

車検代を抑えるとは、必要な整備まで削ることではありません。車の状態に合った整備を選び、納得できるお金の使い方をすることです。


7:HIRO工場長からのアドバイス

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「納得できない整備は、遠慮なく聞いてください」

最後に、整備工場の立場から、一つお伝えしたいことがあります。

それは、「整備士にすすめられたからといって、理由が分からないまま交換を決めなくてもいい」ということです。

私たち整備士にとっては当たり前の言葉でも、お客様にとっては初めて聞く専門用語かもしれません。

「ブレーキパッドの残量が少なくなっています」

「バッテリーが弱っています」

そう説明されても、実際にどのような状態で、今交換する必要があるのかまでは、なかなか伝わらないものです。

ですから、分からないことがあれば、遠慮せずに質問してください。

「今すぐ必要なんですか?」

「もう少し使うことはできますか?」

「交換しないと、どうなるんですか?」

どれも大切な質問です。

もちろん、安全のために交換や修理を先延ばしにできない部品もあります。

その場合は、なぜ必要なのかをきちんと説明することも、整備士の仕事だと考えています。


そして、もう一つ。

車の整備は、必ずしも一つの答えしかないわけではありません。

これから長く乗り続けたいのか。

近いうちに買い替える予定なのか。

毎日長距離を運転するのか、週末の買い物が中心なのか。

そうしたお客様の事情によって、整備のすすめ方が変わる場合もあります。

大切なのは、整備工場の都合だけで決めるのではなく、お客様の希望も聞きながら、安全性と費用の両方を考えていくことです。

車検の見積もりを見て「高いな」と感じたときは、ぜひ一度、整備内容を確認してみてください。

本当に大切なのは、車検代が高いか安いかだけではなく、その金額に納得できるかどうか。

そして、その納得のために必要な説明をすることも、私たち整備工場の大切な役割だと考えています。

車検や整備について分からないことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

参考資料

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